ひとりぼっち
他人にとっては“あんなこと”かもしれない。

でも私にとっては“あんなこと”じゃない。

私を全否定されたような屈辱感。

あの時の感覚は、未だ繊細に覚えている。

思い出すだけで、涙が滲む。

大切だった琴乃に

“裏切り者”と突き飛ばされた。

仲間達に、陰口や嫌味を毎日言われた。

でも加奈がいてくれたから…

前に進めたんだ。


『ありがと、加奈』


知らぬまに呟いていた。

ハッとすると、目の前には琴乃。

私は少し俯き、涙が溢れそうになるのを堪えた。

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