ひとりぼっち
まだ担任の話が終わらない。

気の遠くなるほど長い。

しかもつまらない。

担任の自己紹介と、生活上の注意だ。


話したって聞いてないのに…
馬鹿馬鹿しい。


聞く気もない私にとって、ただのうっと惜しい担任の長話。


「…じゃあ、安倍さんから自己紹介でもしましょうか」


ガタッ―――


私は体勢を崩し、椅子が大きな音を立てた。

私に集まった視線に少し恥ずかしくなってまた下を向く。


「…安倍からどうぞ」


担任の声に安倍とやらが立ち上がった。
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