ひとりぼっち
友情

―1―

――数日後


入学してから私は、苦手な朝を何事もなく過ごせるようになっていた。

早めに起きて、ご飯を食べて、着替えて出かける。

昔はできなかったこの行動が、今では普通にできている。

また三日坊主なのか、と考えると少しがっかりした。


『行ってきまぁす』


私はそれだけ言うと、玄関を出た。

すがすがしい朝の日差し。

まだ寒いこの時期は、ほんの少し朝露が残っている。

自転車にスクールバックを縛り付け、鍵を外す。

そして自転車に股がり、ペダルを強くこぎだした。
< 51 / 70 >

この作品をシェア

pagetop