変わる想いを貴方に捧げる

···最初から


和真さんの住む世界は違う。
私では無理だ。

ただ、和真さんは庶民の私が
物珍しいだけ・・だと
何度も・・なんども
諦めようとした。

だけど、「鈴音」ともう一度
名前を呼んで欲しい。

少し呆れたように私に接する
顔を見せて欲しい。

等々‥‥‥‥
  だけど‥‥‥

「私がっ‥‥必要ないから‥忘れたと
私なんか‥‥どうでもっ‥良いから‥
記憶にもないっ‥‥、んだと思って
悲し‥‥かった‥‥。
だけどっ‥‥和真さんには
幸せでっ‥いて‥ほしいから・・」
と、言うと
「解離性健忘と言って
強いストレスからくる
記憶障害らしい。
お前を危険にあわせてしまった。
その前に間違いだとはいえ
お前の知らないとこで見合いを
されられたことで。
また、鈴音を傷つけてしまった
と、思った事が
関連しているのではないか
と、主治医に言われた。

だがな、鈴音。

俺が、記憶を無くしたなら
出会いから、やり直しを
しようとは思わなかったのか?」
「だって·····
あの時は、たまたま晶さんからお兄様方を
紹介されたけで
私みたいな子が、和真さんに
話しかけても相手にされるとか
思えるわけない。
和真さんは、素敵過ぎるから。」
と、言うと
「そうか?
だから、拓真にしようと思ったか?」
「えっ、拓真さん?
思わないっ、だいたい拓真さんが
私に興味あるはずない。
ただ、拓真さんに沢山
迷惑かけてしまいましたけど・・」
「拓真は、迷惑だと
思っていないと思うぞ。」
「そう‥‥で、しょうか?」
「まあ、良い。俺を目の前にして
他の男の事を考えるなんて‥‥
鈴音、お前だけだ。」
「なっ‥‥‥」
和真に顎を持ち上げられ
和真の切れ長の目で
見つめられて
「鈴音、良いか?」
と、聞かれて
鈴音が目を瞑ると
和真の冷たい唇が
鈴音の唇に触れた。

一度触れると
なんども角度を変えて
キスをされる
鈴音は、頭がぼぉっ・・となり‥‥
「鈴音、まだ言ってなかったな。
今日は、いつにも増して綺麗だ。」
「‥‥‥‥‥‥。」
鈴音は、湯気が出るのでは
ないか思うほど真っ赤になって
和真に笑われていた。
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