変わる想いを貴方に捧げる
···由季斗②
俺は、大学を卒業をすると
大手薬品メーカーのアテラ製薬の
MRとなった。
俺が配属された部所には
キリッとしたスーツの似合う
女性のMRのかたがいた。
伊野 絢さんだ。
俺より三才上の人だが
めちゃめちゃ格好いい。
伊野先輩から沢山の事を学んだ。
鈴音にも伊野先輩の話しはしていた。
たまたま、仕事で伊野先輩といるときに
鈴音にばったりあって
伊野先輩と鈴音が
従妹同士だとわかってからは
三人で、一緒に飲んだり
ご飯食べたりすることが多くなった。
伊野先輩は、鈴音を凄く可愛がっていて
鈴音も伊野先輩を慕っていた。
だが、仕事を覚えるとやらないと
いけないことも増え
鈴音も働き初めて
毎日が目まぐるしく過ぎ
鈴音との連絡も
蔑ろになっていた。
だからと鈴音が文句を言って
くることもなく
全てが後手になっていたとき
伊野先輩から飲みに誘われた。
かなり酒豪の先輩なのだが
その日は、飲むペースが早く
俺も連られて、二人ともつぶれて
気がつくと、俺のマンションに
寝ていた。
俺は、二日酔いもあり
鈴音と先輩を間違えて
抱いてしまった。
先輩は、その日 彼氏と別れて
荒れていたらしい。
先輩は、結婚をするつもりでいたが
彼氏から
「絢は、家庭に入るとタイプじゃない。
俺は、家には癒しを求めたいから。」
と、言われたと
泣く伊野先輩が可愛くて
堪らなくて、伊野先輩との
関係がずるずると続いていた。
二人とも鈴音に悪いことを
していることはわかっているから
鈴音の名前は避けていた。
その日も二人で飲み
俺のマンションに帰り
絢から
「いつまでも
こんな関係続けていたらダメ・・」
と、言ってるのを
俺は、口付けで押さえ込み
絢の身体を堪能して
「‥‥‥ア‥ン‥‥」
「‥‥やめ‥れるの‥‥か‥‥
‥‥こんなに‥‥感じ‥‥てっ‥いて‥」
「‥‥ゆっ‥‥きと‥‥もぅっ‥ダメ‥‥」
「あ‥やっ‥‥くっ‥‥‥」
俺は、何かから逃れるように
ひたすら、腰を打ち付け
絢は、意識を手放すが
俺は、何度も引戻し抱き続けた。
何か、物音がする?
絢が起きたか?
ガサガサ・・ガサガサっ・・
目を開けて見回すと
誰かが、クローゼットを開けていて
はっと、思うと
鈴音だった。
俺は、慌てて絢を隠すが
鈴音は、寝室のドアをバタン!
と、閉めて出ていき
そのまま玄関を開ける音がして
部屋の中はシーンとなった。
呆然とする俺と泣く絢
二人ともいつまで・・そうしていたか
わからないが・・
お互い冷静になるために
絢も帰った。
こうなるかもしれないことは
わかっていたはずだ。
鈴音を傷つけるかもと
俺は、鈴音に必死に連絡した。
何度も‥‥何度も‥‥
「話したい!」
「連絡して!」
家にも行ってみるが
由奈さんから
「鈴音は、まだ、帰ってないの。」
と、言われてしまい
絢も同じ事を言われたらしい。
その日、絢と
今更だが····
『お互いに個人的には
会わないようにしよう。』
と、話しあった。