変わる想いを貴方に捧げる
···どうしたものか
「ついたぞ、鈴音。」
考えごとしていたらアンシャンテの
前に車は、止まっていた。
「あっ、ありがとうございます。」
と、運転手さんにも
お礼を言って降りると
和真さんも降りてきて
「朝、七時に」
と、和真さんは運転手の方に言った。
「かっ、和真さん
帰って大丈夫ですよ。」
「嫌。
鈴音に話があるからお邪魔する。
それに気になる。」
と、言うから
はあっ。と、ため息をつきながら
二階の部屋に上がった。
もう、3時を過ぎていた。
和真は、鈴音にお風呂に入るように
言ってから
晶に連絡をした。
晶は、蒼真に話をしていたらしいが
蒼真は何も言わなかった。
だが、
鈴音が、なぜ
店の二階で暮らしているのか
わかった。
セキュリティとか
問題はないが
一人で住むには
いささかさみしいと思える。
鈴音は、風呂からあがると
俺に珈琲をいれてくれた。
「インスタントだから
口にあわないかもしれません。」
と、言いながら。
鈴音は、綺麗な顔立ちをしているが
化粧を落とすと幼さがでてくる。
今もソファーに座ったまま
こくり、コクりとしている。
俺は、スーツの上着だけ脱いで
鈴音を抱えて
寝室のベッドへ運んだ。
五時を回っているが
少しの間だけ
鈴音を抱き締めて横になり
目を閉じた。
晶には、朝、鈴音を起こすように
言ってある。
鈴音は、子猫のように
温かい俺にすり寄って
眠っている。
『どうしたものか‥‥』
と、独りごち。