変わる想いを貴方に捧げる

···手加減しない


由季斗も和真さんを見ているようで
捕まれた腕が離れたすきに

私は、走り和真さんの元に
和真さんが、両手を広げてくれたから
和真さんの胸の中に飛び込んだ。

和真さんは、私をそっと抱き締めてくれた。

その温もりに
私は安心してしまった。

由季斗は、
190センチ位ある体型に
男でもため息がでるような
美形な和真をみて
唖然としていた。

すると·····

「お前、いったい何様だ!
勝手な言い分をベラベラと。
二度と鈴音に近くな。
鈴音をこれ以上傷つけたら
俺の全ての力を使って
お前を阻止する。
手加減なぞしない。」
と、言い捨てた。

鈴音は、今まで和真のそんな
低い唸るような声を聞いたことがなくて
びっくりしたが
なぜか、怖いとは思わなかった。


「りおん、乗りなさい。」
と、言われ助手席に乗せられて
和真も乗り込み
車は走り出した。

「和真さん、ありがとうございました。」
「役得だったな。」
「なっ、でも安心しました。
あっ、でも、また心配かけてしまった。
晶さんに心配しないで、と
言ったばかりなのに。」
と、言うと
和真さんは、黙って笑っていた。
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