変わる想いを貴方に捧げる
···解けた誤解?
鈴音の部屋の鍵を開けて中に入る。
中は、シーンと静まりかえっていた。
寝室にたどり着くと
ベッドの上が盛り上がっていた。
近づくと、小さな小さな寝息が
聞こえた。
和真は、鈴音の前髪をよけてあげ
頬を手の甲でさすると
「‥んんっ‥‥」
と、俺の手にすりよってくる。
「鈴音、なぜ声をかけなかった?
俺の気持ちは伝えたはずだ。
俺は、お前以外に興味はない。」
と、眠る鈴音に告げる。
和真は、上着だけを脱ぎ
パソコンを広げて
仕事を始めた。
外が明るくなると
カーテンを開けて
外を見る。
ガチャと、ドアが開き
「えっ?」
「おはよう、鈴音。」
「‥‥オハヨウ‥ゴザイマス‥‥」
と、扉からこちらに入ってこない。
「鈴音、おいで」
「‥‥‥‥‥‥」
「·····鈴音‥‥‥」
動かない鈴音の元に
和真から動いた。
和真は、鈴音のそばに行き
鈴音を抱き締めて
「鈴音、ぐらいだ。
俺を動かすのは。」
と、言うと
「うそ?」
「どうしてそう思う?」
「だって、和真さんには
私じゃなくても沢山女性はいるはず。」
「ああ、俺が何も言わなくても
女は寄ってくる。
だが、俺が自ら触れたいと
思うのも、そばにいたいのも
鈴音だけだ。」
「‥‥ぞんなこと‥ないモン‥‥」
「そうか、俺は、
一昨日もそう言ったはずだが。」
「‥‥だって、和真さんは
素敵過ぎて、私の世界と違う····から。」
「鈴音。昨夜俺を見たなら
なぜ、声をかけなかった?」
「なっ、知っていたのですか?」
「鈴音の態度が変だったと
晶が心配して連絡してきた。
何かあったのかと
で、待ち合わせの時間を聞いてわかった。
昨夜は、⚪️⚪️会社の会長婦人と
食事をしたんだ。
本当は、会長も見えるはずだったが
風邪を引かれて、俺のスケジュールを
開けてもらったのだから
婦人だけでも、行くように
会長から言われたそうだ。
俺にしては、どちらでも良かったが
お袋の関係だったからな。
だが鈴音、会長婦人は60才越えた方だぞ」
「ええっ、うそ。
すっごい綺麗な方だったから‥‥」
「まったくお前は。
一昨日の俺の話を本当に訊いていたのか?」
「聞いていましたよっ、ちゃんと。」
「そうか、なら誤解はないな」
「あっ‥‥はいっ‥ゴメンナサイ」
と、言うと
和真は、ぎゅっと抱き締めてから
鈴音の顎を持ち上げ
キスをした。
「鈴音、シャワーを浴びるんだろう。
着替えたら、俺の家に行こう。」
と、言うと
鈴音は、コクンと頷いた。
鈴音は、シャワーを浴びてから
着替えをして簡単にメイクをして
「和真さん、お待たせしました。」
と、言うと
「鈴音、何日分かの着替えを用意して。」
と、言われて
鈴音は、ん?と思いながら
言われた通りにして部屋を出た。