変わる想いを貴方に捧げる

···永遠なんて··ない


日曜日の夜に
私をママの店に送ってくれるとき
和真さんが、
「鈴音、少し日本から離れないと
行けない。
何かあったら、必ず晶と拓真を
頼るんだ。わかったな。」
と、言うから
「うふふっ、大丈夫ですよ。
そんなに心配しなくても」
「嫌だめだ。俺が心配なんだ。
蒼真は、契約が済み次第帰国させるつもりだ。
俺には、秘書の風間が同行するから。」
「秘書さん?」
「心配するな、風間は男だ。
蒼真の同級生で優秀な男だ。」
「なっ、心配していませんよっ」
「そうか、不安そうな顔をしたように
みえたが。」
ほんと、なぜ、わかるのかな
と、思っていると
和真は、笑っていた。

次の日、晶さんにも
和真さんと同じ事を言われた。
「兄妹で同じ事を言ってますよ。
ですが、ありがとうございます。
晶さんには、
いつも頼りっぱなしですけどね。」
と、話した。

その日 予定通り
和真さんは出国した。

晶さんに、
まだ、和真さんを好きにはなれないか
と、訊ねるられたが······
私は、返事をする事が出来なかった。

晶さんは、笑いながら
「和真兄さんも踏ん張らないとね。」
と、言いながら私の頭を撫でて行った。

嫌いな筈はない。
 あんなに素敵な人。

それに、私をとても大切にしてくれる。
社長さんの仕事がどんな大変なのか
わからないが、時間を割いて
私を優先してくれる。

そんな和真さんに
   気持ちがないわけない。

だけど・・・
  また・・・
自分に自身が持てない・・・

由季斗に対して気持ちはまったくない。

人の気持ちは、変わるし
出会いがあれば別れもある。

なら、永遠なんてないのでは?
と、思ってしまう。
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