変わる想いを貴方に捧げる
···寂しい
和真さんと離れたくなかったが
一度 ママのお店の二階に戻って
ママに連絡をすることに。
和真さんは、仕事がら
早く帰宅できないので
家に帰ったら、土日しか会えない・・
まして・・
土日も必ず会えるとは限らないけど・・
「ママ、買い付け終わったの?
お父さんは、まだ忙しいの?」
「鈴音、あなたも毎日大変でしょう。
一人でちゃんとやれてるの?
ママもお父さんも落ち着いてきたから
帰ってくる?
あのね、菊乃姉さんから連絡あって
絢ちゃん、沖縄に転勤したみたいよ。」
「えっ、絢ねえが?」
「そうみたい。姉さんも知らなくて
沖縄に行って、少ししてから
絢ちゃんから連絡があったみたいよ。」
「そうなんだ?
菊乃おばちゃまも邦おじちゃまも
大丈夫なの?」
「姉さんも邦夫義兄さんも
絢も、もう大人なんだから
自分の考えで動いているんだろう。とね
まあ、そう言っても心配している
だろうけどね。」
「そうなんだね。
お父さんは?」
「弦は、絢ちゃんも冷静に考える
よい時間になるのではないか
と、言っているわ。
所で、鈴音、あなたは大丈夫なの?」
「うん。晶さんや秀斗先生、
晶さんのお兄さん達のお陰で
楽しく過ごさせてもらっているの。」
「そうなの。
あなたが、今のままで良いなら
それでも良いのよ。
自分で決めなさい。」
「うん、ママありがとう。
かずっ、あっ、晶さんのお兄さんに
一度、家に帰った方が良い
と、言われたの」
「ふ~ん、晶ちゃんのお兄さんね?
鈴音は、帰りたくないと。」
「ええっ、帰りたくないわけじゃないよ。」
「うふふっ、ママはホッとしたわ。
鈴音が思うようにしなさい。
お父さんには、うまく言っとくから。」
「もぅ、ママは。でも、ありがとう。」
「だけど、紹介しなさいよ。」
「うん。」
と、電話をきってから
ママの優しさに包まれながら
その日は、眠った。
次の日に、晶さんに絢ねえの
転勤の話をすると
晶さんは、少し驚いていたが
「まあ、仕方ないね。」
と、言った。
その夜に和真さんと電話で
ママと話した一部を伝えてた。
和真さんは、やはり
一度、家に帰るように言った。
お店の二階もセキュリティは
しっかりしているが
一人でいるのも心配だし
俺の所にずっといるのは、
鈴音も気がとがめるだろと。
だから家に戻り
週末は、俺の所に来れば良いと
言って······
「で、お母さんは、俺をいつ紹介してと。」
「えっ、どうして?」
「わかるか?って
鈴音の話の端々で。
近い内に ご挨拶に伺う。」
「あっ、挨拶って?」
「鈴音、俺はお前を離さないと
言ったはずだが。
訊いていたか?」
「きっ、聞いてましたよ。ちゃんと!」
「クスッ、そうか
それなら、安心だ。」
と、和真さんに言われて
もぅ、と鈴音は
赤面しながら思っていた。
それからは、色々な話をして
電話を切った。
ずっと一緒にいたから
やはり······さみしいなぁ·····
和真さんも寂しいと
思ってくれているかな。