変わる想いを貴方に捧げる

···大変な事


親父は、終始目をつぶり
苦虫を潰したような顔をしていた。
だが・・・
「わかった。
優の勝手な行動で
お前達やお前達の知り合いまで
迷惑をかけてすまなかった。
王さんの申し出は全て受ける。
海堂さんの件も。
で、和真の方は問題ないか?」
「はい、大丈夫かと。
和真兄さんは、簡単に潰れる人では
ありません。
ただ、海堂さんの方が心配ですが
正直、俺達がかかわらないほうが
彼女は、平穏だったのではないかと。」
「そうだな。
お嬢さんの傷が早く言えると良いが。」
親父と話してから
晶には浅野から
護衛がつけられた。

晶に拓真から話が通された。
晶は、ごねていたが
王さんの名前をだすと
了承した。

まったく、自分の兄に制裁なぞ
と、思うが晶らしい。
鈴音が心配だが、むやみに動けないのが
現状だ。

その日、母親・優には
総帥から直々に連絡があった。

母国の父と従兄弟にも通達があったようだ。

「優、わしの関知していない事で
わしの名前が使われる事には
納得できんのう。
ましてや、孫達を巻き込んで
勝手な振る舞いは。
今回の事には、
他(た)の方まで巻き込む事に
なったようじゃが。

そのようなことは、
わしが一番嫌う事じゃ。
よくわかっておると思って
おったが······
お前は、しばらくの間
母国に帰省しなくて良い。
父(社長)と従兄弟(副社長)は、
勝手な振る舞いが
今後あれば職を解く

燐とか、言う親子
二度と孫達に近づけないように
わかっておるな。」
と、一方的に話されて
電話は切られた。

優は、何がおきているのか
わからずに、
夫・真吾と蒼真、拓真に話を聞いた。
和真は、今ヨーロッパに行っているようだ。

優は、話を聞いてびっくりしていたが
これで、和真が朝イチに
連絡してきた意味がわかった。

海堂さんのお嬢さんの事は、
晶でないとわからないが
晶が、今このメンバーと合うことはない
それは、家族にはわかる。

蒼真からは、和真の会社は
厳しい状況にあることは
確かだと。
だが、誰かに頼るような兄では
ないから、これ以上の揉め事は
避けて頂きたいと。
(つまり、援助とか考えるなということ)

浅野組は、晶が総帥の孫だと知れる事で
狙われる可能性もあるので
護衛を言い渡された。

海堂さんには、王さんの部下が
警護にあたる。
燐さんの報復を心配して。

優は、簡単に考えていた事が
お祖父様を巻き込んで
大変な事になっていて
青くなっていた。

蒼真は、
「一言相談して欲しかった。」
と、言って帰って言った。
拓真も警護があるからと。

真吾は、腕を組み目を閉じていた。
「真吾さん、すみません。
こんなことになって」
と、優が言うと
「俺も強く止めなかったから同罪だ。
お祖父さんが本当に怒っていたら
大変な事になっていた。
まだ、俺の顔を立ててくれて
いるぶんよかったよ。」
と、言った。

それから、優は燐さんに連絡して
話を断った。
燐さんは、納得していなかったが
総帥の名を出すと
しぶしぶ引き下がった。

ただ、娘・シェンメイは、
簡単に納得できなかった。

和真の容姿はともかく
立ち振舞いから全てを
気に入り、自分の夫となる人は
和真しかいないと思っていた。

シェンメイは、
あの時の女が
関わっていると思い
調べることにした。
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