変わる想いを貴方に捧げる

···忘れたいのに忘れられない


鈴音は、和真の事が気になったが
父や母の心配は充分にわかる。
ここのとこ私は心配ばかり
かけているから。

弦は、帰り道なにも語らず
鈴音が晶に聞いた話をするのを
聞いていた。

由奈は、時おりびっくりして
えっ、とか
うそっ、とか
言っていたが。

三人には、本当に現実の話しなのか?
と、思うほどの内容だった。

由奈は、鈴音に
「鈴音、彼の世界とか
考えないとしたら
貴女は?
貴女の気持ちは
どこにあるの?」
「‥‥‥正直‥‥
あんな思いをしたのに
和真さんを忘れることが
できないの。
何度も・・何度も
住む世界がちがう。
忘れないと、嫌、忘れたい。
お父さんやママみたいに
穏やかに幸せになりたい。
と考えるのに。
自分はシンデレラには
なれない、と思うのに。
和真さんの顔や仕草が頭から離れないの。
私は・・・どうしたら・・
どうしたら、よいのかな・・」

誰も、言葉を発することは
なかった。
辛く、悲しい鈴音の想いを
両親は聞くしかなかった。
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