変わる想いを貴方に捧げる
···もう一度
三人が病室に入ると
兄は寝ていた。
三人は、無言で座ると
蒼真は、
「晶、鈴音ちゃんに本当の話を
するしかないよ。」
「うん、一応意識戻ったのは
連絡したの。
だけど・・きちんと話してくる。」
と、言った。
拓真は、二人の会話を
黙って聞いていた。
和真は、明後日抜糸して退院となる。
晶は、鈴音に連絡して
自宅に伺った。
鈴音、弦、由奈は、
晶の話を聞き唖然とした。
だが、辛そうに話す晶の姿を見て
あっ、本当なんだと思わずには
いられなかった。
晶が帰ってから
弦は、
「鈴音、彼の記憶は戻る可能性もある。
戻らないかもしれない。
だが、鈴音が忘れられないなら
最初から・・出会いから始めたら良い。」
と、言った。
だが、鈴音は
「ありがとう、お父さん。
だけど、私の事だけ、私の記憶だけない。
と、言うことは
和真さんの中には、
私は必要ない、忘れたい存在だった。
と思うの。
だけど、もう一度だけ確認してくる。」
と、言うと
二人とも鈴音の思うようにしなさいと
言った。
鈴音は、晶に
和真を散歩に連れ出して欲しいと
お願いした。