変わる想いを貴方に捧げる
···もう一度チャンスを
・・・兄さん?・・
蒼真は、和真に同行して
視察にやって来ていた。
兄貴が手掛けたホテルだ。
ヨーロッパに進出したものとは
また、違ったものだけど
兄の誇りが沢山入っているホテルだ。
目の前を歩いていた兄の足が止まった。
兄が向いて方向を見て
えっ、あれは鈴音ちゃん!!
パッとみて、鈴音ちゃんだとは
わからなかった。
鈴音っ、走らないで
着物っと、母上に言われて
自分が着物を着ているのを
思い出して、笑っている。
鈴音ちゃん、やはり可愛い
すると、兄も・・・
クスリっ、と笑い
また、進み出した。
なにかを思い出したわけではないのに
やはり、兄の中には
鈴音ちゃんがいると
蒼真は、確信した。
ふふ~ん、だったらかけてみようか?
鈴音ちゃん、ごめんね
だけど、血があふれても
誰にも、君を触らせなかったんだよ
兄は。
だから、お願い
もう一度だけ
もう一度だけ
俺にチャンスを下さい。