【完】恋人までの距離
「……その話。私、聞いてないけど?」
「……美紗??」
「ど、どうしたのぉ~??そんなちょ~っと怖~い顔してぇ……」
はっきり言って、怖い
「ねぇ。文化祭終わったら、3人で遊ぼうね」
「な……なんでですか?」
「返事は?」
「……はい」
「わ……わかったからぁ~、そんな顔しないでぇ~?」
「亜希は私のこと、どういう風に見えてるの?」
「……大天使様です……」
その逆、大悪魔様でしょ?
美紗を不機嫌にさせると本当に怖い
でもこういう時は、何かがあってこうなってるから、何かあったんだろうね
放課後
「空~、陽光~、お待たせ~」
「で、何かあるの?」
「ちょっとついてきて」
「?どこ行くん?」
「どこか」
2人がどんな反応をするのか見たい
「着いたよ」
そこは【準備室 倉庫】と書かれた所
「もしかして……」
「そう。準備、手伝って」
「……先に言えば、よかったのに」
「だって言ったら、嫌って言われそうだったんだもん」
それにどんな反応するか見たかったし
そんなに反応なかったけど
「か弱い女の子たちだけで、準備させる訳ないだろ?」
「せやせや。茉菜、もうちょっと甘えてええねんで」
「……」
調子狂う
「う……うん。これから、そうする」
「どうせ、俺らに迷惑かけたくないとか思うたんやろ?」
「なんでわかったの?」
「優しいから」
「……本当は私の仕事なのに、私たちだけじゃできないって思ったから……。頼みたくなかったけど……頼んじゃってごめん」
本当に申し訳ないと思ってる
「ええねんて。ほら、さっさと終わらせてしまうで」
「うん」
……わかってくれた
陽光は本当に優しい
空も