この恋からは絶対に逃げられない!?
忘れられない感覚
「いやいや驚いたのなんのって」
その日の夜は急遽結城理人さんの歓迎会となり、
予定が入っているという私の意見も無視され強制的に参加することになってしまった。
まぁ、私の予定なんてないんだけれど。
いつも会社の飲み会で使わせてもらっている居酒屋は魚介類の料理が評判の店だ。
しかも予約をしなければ入れないほど。
だからよく他部署との闘いになったりもする。
「それじゃあ、お二人は古いお知り合いなんですね?」
結城理人の隣をちゃっかりキープしている若い子が目をキラキラさせて質問している。
で、何故その反対にいるのが受付嬢の初子なのだ?
「そうそう。都子ちゃんはまだ高校生だったな、あの頃は」
軽々しく名前で呼ぶな!と内心で悪態をつき、ビールを一気に飲み干す。
「もう〜いきなり有川さんのところに行くからビックリしましたよ〜」
周りからのジロリと来る視線が痛い。
「どういう知り合いなんですか?」
「俺がよく通ってたレストランのウェイトレスだったんだよ、都子ちゃんは」
だから、名前で呼ぶな!
「あんた達、面識あったのね〜」
「面識っていうか…まぁいろいろ」