この恋からは絶対に逃げられない!?
誰もいないオフィスに私の声が響いた。
暑さ5センチもある資料をデータにしてまとめるなんて。
パソコンでグラフを作りながら数字を入れていく。
頭痛は少し引いたけど、今度は胃痛になりそう。
「あれ?残業か?」
入り口で声がしたので振り返ると、
結城さんがネクタイを緩めながら入ってきた。
「お疲れ様です」
「二日酔いだろうにお疲れさん」
「一言余計です。大体何で私が二日酔いって分かるんですか?」
「そりゃ、お前あんな乱れ方してたら誰でもそう思うって」
「み、乱れてなんかないです!」
「結城さん、行かないで〜!って泣いてたぞ」
「嘘言わないでください」
「具合はいいのか?」
「お陰様で。昨日はご迷惑おかけしました」