この恋からは絶対に逃げられない!?

簡単にお辞儀をしてパソコンに視線を落とした。
えーと。どこまでいったっけ。

「まさか都子ちゃんがここに入社して来るとは思わなかったな」

「ええ。私もまさか結城さんとまた会うとは思いませんでしたよ」

「嬉しい?」

「いいえ。寧ろここに入った事を後悔してます。
あ!今話しかけないでくださいよ!
間違えたじゃないですか!」


早く帰ってくれないかな、作業が終わらないんだけど。
間違えた箇所をデリートして新しい数字を埋め込んでいく。

「残業してるのか」

「そうです。見てわかりませんか?」

お願いだから帰れ!なんて私の願いは叶わず、
結城さんが私の方に近付いてきた。


「それは?」

「明後日の会議で使うそうです。今この文章をデータに移してます」

「頼まれたのか?」

「これが私の仕事なので」
< 21 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop