ホワイトデーの約束
3月に入り、先輩はますます忙しそうだった。
あの半日デートから、ほとんど電話やメールでしか話していない。

少し寂しさを募らせながらも、耐えることができたのはあの約束があったから。

そして、今日はいよいよ待ちに待った3月14日、ホワイトデー。今までこんなにもホワイトデーを待ち遠しく思ったのは初めてだ。

今日のために新しい服も買ったし、お肌の手入れだってばっちりだ。昨日、ネイルサロンにも行って淡い水色のジェルネイルを施してもらった。

あまりにも楽しみにしすぎて、自分でも笑ってしまう。


そわそわしながら仕事を終えると、急いで家に帰った。

毛先を少し巻いて、セミロングの髪をアップにすると、何度も鏡で化粧を念入りにチェックする。

よし、準備は万端!

机の上にスマホ置き、何故か正座で待機。

だけど先輩からの着信はなかなか来なくて、見もしないテレビをつけて落ち着きなくチラチラと時計を気にしていた。
< 4 / 22 >

この作品をシェア

pagetop