情熱的に愛して
企画から計画になった時、実際試すのは、良くも悪くもない普通の店か、最初から企画にあがっていた店だ。

こんな最下位のダメダメ店で、新しい企画をしたって、失敗するに決まっている。

「楽しみにしているよ、二人共。」

「はい……」

私が人知れず、ため息をつきながら自分の席に戻ると、早速門馬がカバンを持った。

「市川、行くぞ。」

「行くぞって、どこへ?」

「バーカ。最下位の店に決まってるだろ。」

私は、息が止まった。

「……やっぱり行くの?」

「当たり前だろ。」

私もカバンを持って、オフィスを出た。


エレベーターに一緒に乗り、1階へ向かう。

「市川、この店行った事ある?」

「近すぎて、逆に行かなかった。」
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