情熱的に愛して
「そうか。」

どちらかと言えば、洋服を買う時は、自社のブランドでも、家の近くにあるお店にしていた。

私達のようなプチプラブランドでも、街に来ていける服があるのよと、言いたいところだけど、買う時だけはね。

知っている人に、見られたくないのよね。


はっ!

もしかして、他の人も一緒?

プチプラブランドと思って、恥ずかして街中では買えないとか?

それならば、デザイナーさん達に頑張ってもらって、プチプラでもオフィスに来て行けるような洋服を。

よし、これで行けるか?


「おい、市川。」

「えっ?」

「なに、鬼の形相になってるんだよ。」

「お、鬼?」

私は自分の顔を、パンパンと叩いた。
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