情熱的に愛して
ちょうど1階に降りてきて、ビルの外に出たところで、門馬はスマホアプリの地図を出した。

「あそこか。」

そこそこ歩くけれど、お店は角にあって、目立つ看板だった。


「俺達が行くのは、あくまでどんな企画書が合うか、の探索。いいな。」

「OK。」

私と門馬は、いざ最下位の店に向かって、歩き出した。

そして見えて来たのは、ダラッとしたお店の雰囲気だった。

「これは……」

「市川。悪い点を指摘するのが、俺達の仕事じゃないぞ。」

私は胸が詰まったまま、お店の中に入った。


「いらっしゃいませ。」

売り子のお姉さんが、だらだらした感じで、やってきた。

「すみません。私達、こういう者です。」

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