情熱的に愛して
私と門馬は、それぞれ名刺を渡した。

「えっ……本社の……方ですか?」

「はい。」

すると売り子の人は、”お待ちください”と小さい声で言って、奥に引っ込んでしまった。


お店の中を見回すと、そこそこお客さんは入っているのに、対応している売り子さんが、一人もいない。

ええー!

そんな事あっていいの!?


「えっ?本社の人?」

奥から出てきたのは、胡散臭そうな中年の親父だった。

「店長さんですか?」

「え、ええ……」

「門馬と申します。本社では企画を行っております。」

「企画?へえー……」

そう言っても、フラフラしながら、立っている。


この人、本当に店長なの?

何かの間違いなんじゃないの?

私からの門馬へのテレパシー、伝わるかな。
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