情熱的に愛して
私は目を閉じて、門馬の背中に右手を当てたが、ダメだったらしい。

「実は本社の方から、新しい企画を、このお店でやらないかと言う事になりまして。」

「俺の店で?」

店長の威圧感が凄い。

私はそれとなく、門馬の後ろにそっと隠れたけれど、門馬は1mmも動かない。

冷静に、店長と見つめ合っている。


「……話、聞かせて貰おうじゃないか。」

第一関門突破と言わんばかりに、私はほっと胸を撫で下ろした。

「失礼します。」

私達が奥の部屋に通されると、そこはもう洋服屋さんの明るくて綺麗なイメージの休憩室はなかった。

言うなれば、この店長に掴まった女の子達が、一まとめにされているような感じ?

寒いわー。
< 107 / 234 >

この作品をシェア

pagetop