情熱的に愛して
「藤吉部長です。」

「そっか。藤吉か。よくこんな潰れかけの店で、新しい企画始めようとしたな。」

それ、私も思った。

「俺はさぁ。本社からこの店に来たんだよ。」

急に店長は、自分の身の上を話始めた。


「本社では、何をされてたんですか?」

私はワクワクしながら、尋ねた。

「デザイナーだよ。俺の作った洋服が、次々と店舗に置いていかれて、ポンポンと売れていく。いやぁ、気持ち良かったねぇ。」

「そうですか。」

店長の機嫌がよくなったところで、私達は本社に戻る事にした。


「店長。最後にお見せの中、撮っていいですか?」

「ああ、いいよ。」

店長は久しぶりに本部の人間と話せて嬉しかったのか、何でもOKを出してくれた。

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