情熱的に愛して
「と、言う事は!」

「店長さんに昔に戻って、デザイナーをやってもらう。」

私と門馬は、見つめ合った。

顔が近い。

門馬の瞳に、私が映っている。


「あの……」

私は急いで、門馬から離れた。

「なに?」

あんなに顔が近かったのに、全然平気なのかな。

「その線で、企画書作ってみる。」

「ああ。頼む。」

会議室に、ピラッと言う音が響く。

椅子のギィーっという音も聞こえるくらい、静かだ。


「本当さぁ。一旦、潰した方がいいんだよな。」

「えっ?」

私は、顔を歪ませた。

「スクラップ&ビルド。更地に戻して、立て直すって事。」

「そんな事ないよ!」

私は、テーブルを思い切り叩いた。
< 113 / 234 >

この作品をシェア

pagetop