情熱的に愛して
なんだか門馬が、私の策にはまってきているような気がした。

「でも、オフィス街なのに、オフィス街向けの服がないって言うのは、お客様にとっては物足りなくない?」

「なるほど。」

「そこで。」

私は、パンと手を打った。

「オフィスカジュアル向けのプチプラブランドを、新しく作るって言うのは?」

門馬は、一瞬”おっ!”と言う顔をした。

やった。

私、いい事言った?


「それって、俺が言ったスクラップ&ビルド?」

うっ!

図星です、はい。

だから、言うか言うまいか、悩んでいたのに。

結局、言っちゃったけれど。

その間に、門馬はニヤニヤし始めている。

だって、門馬からその話を聞いた時、私、激しく怒ったもんね。
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