情熱的に愛して
私はふと、窓から外を眺めた。

この青空の下では、何百万人と言う人が、今この瞬間にも働いている訳で。

当然、あの店の人達もそうだと思う。


いくら、やる気がない店員さん達だったとしても、今度から新しいブランドをここでやりまーすなんて言われたら、益々やる気が無くなるんじゃないか。

私は椅子から立ち上がった。

「夏海?」

秋香が不思議そうに、私を見つめる。

「秋香。私、最下位店行ってくるわ。」

「へっ……」

私はカバンを持つと、オフィスを出た。


最下位店には、1階に降りて、ものの10分程で着く。

私が店の中に入ると、店員さんが一人やってきた。

「いらっしゃいま……せ……」

「こんにちは。」

頭を下げると、店員さんも少しだけ頭を下げる。
< 122 / 234 >

この作品をシェア

pagetop