情熱的に愛して
「あの……本社の方ですよね。」

「はい、市川です。」

「今日は、何か……」

「あっ、いやあの……」

確かにこの店の事思い出したら、居たたまれなくなっちゃって、急に来てしまったけれど、お店側としたら本社の人がいたら、気になって仕事できないよね。

仕事?

仕事すればいいんじゃない?」

「すみません。2時間程、ここで働かせて貰えないでしょうか。」

「えっ?」

「無理なら1時間半、1時間でもいいんです。」

店員さんも、あまりの事に驚いている。

「す、少しお待ちください。」

店員さんは奥の方に消えると、店長を呼び出して来た。


「あんた……この前、来た……」

「市川です。」

私は改めて、頭を下げた。

「ここで仕事したいって、正気?」

「はい。」
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