情熱的に愛して
しばらくして、門馬が喫煙ルームから出てきた。

「門……」

声を掛けようとしたら、私よりも早く、門馬に話しかけた人がいた。

清水さんだった。


「お久ぶりね。」

「ああ。」

門馬はウザそうにしているけれど、清水さんの隣から離れようとしない。

「元気だった?」

「お陰様で。」

どちらかと言うと、清水さんの方が積極的に、門馬に話しかけているようだった。

「変わらないわね、雪人。」

名前で呼んだ清水さんに、モヤモヤする。

なんで、門馬の事名前で呼ぶの?

どうして?

でもその答えは、あっさりと出た。

「もう、付き合っている訳じゃないんで、名前で呼ぶのは、勘弁してもらえますか?」
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