情熱的に愛して
その言葉に、清水さんの顔が歪む。

えっ……って言う事は、清水さんは門馬と付き合っていたの?

体がこわばって、動かない。

門馬の元彼女。


― 前の彼女の事、まだ好きだったりして -


秋香の言葉が、私の頭の中にこだまする。

なんだ、そうか。

門馬と付き合う人って、あんな美人な人なんだ。

ある意味、ショック。

ようやく私は、動けるようになって、その場を去った。


「あっ、夏海。どこ行ってたの?」

秋香が、私に話しかけてくれた。

「……ちょっと、トイレ。」

「あっ、そう。」

秋香は相変わらず、合コンの話をしてくれる。

今はそれが、胸の痛みを抑えてくれる薬になった。
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