情熱的に愛して
門馬は、ハッとした。

「ごめん、私……二人の話、立ち聞きしちゃって……」

「そうか……」

奴は一気にビールを飲み干すと、もう一本ビール缶を開けた。


「……俺が入社してすぐに、付き合ったんだ。」

「入社して、すぐ!?」

門馬は入社した時、かなりのイケメンがいるって噂されて、女性の先輩達の中には、本気で門馬を狙っている人がいた。

清水係長が、その中の一人だったなんて!

「でも、1年くらいで別れたんだ。」

門馬は、その事を忘れるように、グビグビとビールを飲む。

「……何で、別れたの?」

「さあ……何でだったかな。」


私達はお互い、テーブルをじっと見た。

そこは、立ち入ってはいけない場所だよね。
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