情熱的に愛して
私は、自然に微笑んでいた。

素直に嬉しかった。

自分の意見を取り入れて貰えるなんて、今までなかったから。


「じゃあ、デザインの方だけど。」

清水係長は、資料を見て、ある部分に目を留めた。

「……店長、中野君なのね。」

「係長、お知り合いなんですか?」

「ちょっとね。」

清水係長は、苦笑いをしていた。


「今日の打ち合わせは、これでお終い。」

「はい。」

私と門馬が、立ち上がった時だった。

「門馬君。ちょっと、付き合って貰える?」

清水係長が、門馬に声を掛ける。

しばらくして、二人は外に出てしまった。


「清水係長。早速門馬に、目をつけたわね。」

何も知らない秋香が、私に囁いた。
< 162 / 234 >

この作品をシェア

pagetop