情熱的に愛して
「えっ?」

秋香は、私の背中を摩ってくれた。

「何があったの?」

「……好きな人と、元カノが親しくしているところを、見ちゃったの。」

秋香は、大きなため息をついた。

「それって、門馬の事だよね。」

私は、秋香を見た。

「何年一緒にいると思ってるの。」

秋香は、私を抱きしめてくれた。

「秋香~。」

「はいはい。」

私は、泣きそうになるのを押さえて、秋香に身を任せた。


門馬と清水係長は、どこに行くんだろう。

どんな話をしていたんだろう。

そればかりが、私の頭の中を駆け巡る。


辛い。

こんな辛い恋は、初めてかもしれない。

一緒に暮らしているのに、こんなにすれ違うなんて。
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