情熱的に愛して
私と清水係長は、じっと睨み合った。

「嘘……」

「私も噂だけしか、聞いてないので。それでは。」

私が立ち上がろうとした時だ。

「どうして、そんな嘘つくの?」

係長が、私の手を握った。


年上の人だと言うのに、恋愛の事なると、必死になるのが女だ。


「だから、噂だって言っているじゃないですか。」

「だったら、私のところにも、入って来るはずじゃない。」

「それは、係長はまだここに来て短いですから。」

係長は、目を細めた。

「もしかして、市川さんも門馬君の事、好きなの?」

私は、息を飲んだ。

「そう……そう言う事。」

「私は、何も言ってません。」

「言ってなくても、顔に書いてあるわ。」
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