情熱的に愛して
「うん。」

私は、布団から頭を出して、起き上がった。

すると、門馬が私の頬に、手を添えた。

急に、頬が赤くなる。

「顔が赤いな。熱でもあるのか?」

そう言って、自分の額に私の額を付けた。

「熱はないようだな。」

門馬が額を放した時、私と見つめ合う。


「市川……」

門馬の瞳に、私が映る。

どうしよう、キスとかされるのかな。

「元気ないな。悩みでもあるのか?」

見つめ合ったまま、そんな話されたら、クラクラきてしまう。


ダメだ。

相手は、あの清水係長なんだから!


「何でもないよ。」

私は、顔を反らした。

「俺達のルール、その1。」

「あっ。」


― 何でもない、じゃなくて何でも話す -
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