情熱的に愛して
お母さんは、私の背中を摩ってくれた。

「大丈夫よ。いつか偽装じゃなくて、本当の夫婦になる時が来るわ。」

「本当の……夫婦?」

「ええ。だから、このまま。このままでいいのよ。」

お母さんは、にっこりと笑ってくれた。

その笑顔に、私は元気をもらった。


そうか。

そのままでいいんだね。

私は、門馬の事が好き。

それは、何があっても疑いようのない真実だもの。

好きなら、好きでいいじゃない。

そして、お母さんが言った通り、本当の夫婦になれるように、がんばろう。

うん。


「お母さん、ありがとう。なんだか、元気が出た。」

「そう?ならよかった。」

そこへ門馬が、帰って来た。
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