情熱的に愛して
会社へ行った後も、世界は変わった。

ふと顔を上げると、よく門馬と目が合う。

二人だけの、楽しみだ。


「あれ?何か、楽しそうだね。」

秋香が、隣から話しかけてきた。

「まあね。」

「まさか、あれが上手くいったの?」

「やあだ、秋香!」

私は、秋香の腕を叩いた。

「ホント、秋香ってばすぐわかるんだから。」

「いや、夏海が、分かりやすいんだって。」

秋香は嬉しそうに、腕を摩っていた。


「そっか。あれだけダメダメって言っていたのに、一つ上手く行くと、続くものだね。」

「そうそう。」

「これなら、昇進とかも夢じゃないね。」

「えっ?」

私は、秋香と目を合わせた。

「……何の話?」

「企画の話、じゃなくて?」
< 196 / 234 >

この作品をシェア

pagetop