情熱的に愛して
秋香は、顔を横に振った。

「もう少しで付き合いそうになると、『秋香ちゃんがよかったら、俺を選んで。』って言うの。どうして?」

「どうしてって……みんな、美人な秋香に、選んでほしいんだよ。」

「そんなの、つまんない。私は、選ばれたいのに。」

美人は拗ねても、美人だ。

それにしても、秋香にそんな悩みがあったなんて、考えもしなかった。

男性に、”付き合って”って言われまくっていると思ったから。


「ねえ、どうやって落としたの?」

「落としたのって……なんとなく?いい感じになって?」

秋香は、私の目の前で、思いっきりため息をついた。

「いいなぁ。それ、一番理想のパターンじゃん。」


理想?

いい感じになって、襲われるのが理想?

そうなのかな。
< 198 / 234 >

この作品をシェア

pagetop