情熱的に愛して
「もしかして、門馬?」

「えっ、いや、違う!!」

咄嗟に、嘘をついた。

「本当に?」

「……うん。」


まさか、私の彼氏が門馬だって事、誰にも知られる訳にはいかない。


「なーんだ。門馬だったら、面白かったのにな。」

「はははっ……」

いえ、付き合ってる前に、もう一緒に住んでます。

両親には、もう結婚しますって、言ってあるしって、絶対口が裂けても言えない。

「どうしたの?顔色、悪いよ?」

「ううん。何でもない。」

何でもないって言葉が、こんなにすんなり言えるなんて、秋香様様だ。


今日、帰ったら秋香に言われた事、門馬にも話してやろう。

きっと、奴は笑って話を聞いてくれるはずだ。
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