情熱的に愛して
私は咄嗟に、身を低くした。

「なに、誰?」

「ん?同じ企画課の渡辺さん。」

「へえ。」

それを聞いても門馬は、隠れようともしない。

「ねえ、少しは見つからないように、協力してよ。」

私は、門馬の腕を叩いた。

「別に。見つかったら見つかったで、一緒に昼飯食べてたで終わりじゃん。」

「そうだと、いいんだけど。」

私は、また見つからないように、人の影に隠れた。

そんな私に門馬は、囁く。

「まさか、一緒に住んでいるとは思わないよ。」

「えっ……」

至近距離で目が合って、私はニヤつく。

「嬉しそうな顔しちゃって。」

門馬もニヤッとして、私達は同じ幸せを味わうのだった。
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