情熱的に愛して
帰りは別々に帰ったけれど、一緒に住んでいる訳だから、当然家でまた顔を合わせる。

「おかえりなさい。」

「ただいま。」

最初に言うのは、先に帰って来た方。

”お帰りなさい”と言ってくれる人がいるって、本当にいいなぁ。


「夏海。」

「えっ?」

門馬は、私の前に買い物袋をドサッと置いた。

「これで何か、作って。」

「ええー!私が!?」

私は、テーブルの上に伸びあがった。

最初に帰って来た方が、夕食作るって、決まってるのに~。

「ええーって言わない。俺が、夏海の手料理食べたいの。」

そう言われると、いくら疲れていても、作るしかない。

私は起き上がって、キッチンへ行った。
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