情熱的に愛して
「何がいいの?」

「夏海が作った物なら、何でもいい。」

「もうっ!」

好きな人にそんな事言われたら、腕に寄りをかけて作らなきゃね。


私は、じゃがいもと玉ねぎを切って、肉じゃがにした。

後は、味が染みこむまで、煮込むだけ。

その間に、サラダでも作っていよう。

その様子を、椅子に座りながら見ている門馬は、私から見ても可愛い。


すると、今まで黙っていた門馬が、口を開いた。

「なあ、夏海。俺達、このままでいいのかな。」

「このままって?」

私は包丁を一旦置いた。

「ほら、俺達……一緒に住んでるだろう?」

「うん。」

「最初は、ただの同居人だったけれど、今は付き合っていて、愛し合っている訳だし……」
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