情熱的に愛して
門馬は椅子から立ち上がって、私の腕を掴んだ。

「誰にも、何も言われてないよ。俺が自分で、考えたんだ。」

私は、門馬の目を見つめた。

真剣な瞳。

本気なんだ、偽装結婚を辞める事。

涙が、ポロポロ出てきた。


「夏海……」

「どうして?理由を聞かせて。」

「それは、夏海の事が好きだから。」

「私だって、門馬の事、大好きだもん。それなのに、別れるなんて!」

「えっ?別れる?」

門馬は、目をパチクリさせている。


「……何でいつの間に、別れる事になってる?」

「えっ……だって、門馬が……」

「俺は、夏海と別れるなんて、一言も言ってない!」

門馬は、私の事をぎゅっと抱きしめてくれた。
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