情熱的に愛して
「夏海……偽装じゃなくて、本当にしないか?」

「えっ……」

「俺達、本当に結婚しないかって、言っているんだよ。」


私は、門馬の顔を見た。

門馬は、ニコッと笑っている。


「門馬……」

「いや、こう言う時は名前で言おうよ。」

「雪人……」

「夏海……」

私達は、見つめ合って、キスを交わした。


好きな人からの、プロポーズ。

女としては、涙が出るほど嬉しいものだけれど、何かが引っかかる。


「ねえ、雪人。」

「ん?」

「結婚、ちょっと待ってくれない?」

私は、雪人を抱きしめた。

「……いいけど、どのくらい?」

「分からない。」

雪人の腕の力が、弱くなっていくのが分かる。
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