情熱的に愛して
「夏海、雪人さんのお布団、いる?」

「いらない。一緒に寝るから。」

「でも、あなたのベッド、シングルベッドじゃなかった?」

そんなお母さんの肩を叩いたのは、雪人の方だった。

「お母さん、多少狭くても寝れますから。心配しないで下さい。」

「あらあら。新婚さんは、羨ましい事。」

お母さんは、こんな時にニヤニヤしている。

「こんな時になんだけど、夏海と結婚してくれて、雪人さん、ありがとうね。」

私は、階段を昇ろうとして、足を止めた。

「おじいちゃん、夏海の結婚だけは心配していたから。早く、いい人を捕まえて欲しいって。その願いが叶っただけでも、おじいちゃん、幸せだったわね。」

その時、私の胸はズキッと痛んだ。

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