情熱的に愛して
「店長さんは、どんな顔してた?」

『うん。嬉しそうな顔してたよ。』

よかった。

あの店長さんだったら、もう一度デザインの仕事したいんじゃないかと思って、企画書に盛り込んでいたんだ。


『それに、清水係長から言付けなんだけど。』

「係長?」

雪人の元カノだと言う清水係長。

なんだか、悪い予感がした。

『夏海に、申し訳なかったって、言っておいてだって。』

「えっ?」

『二人の仲を、邪魔して悪かったって。』


私の頬が、自然に上がる。


「清水係長、やっぱりいい人だね。」

『まあ、そこがあの人の悪いところでも、あるんだけど……』

私は、フッと笑えた。

「言いますね。」

『まあ、元彼氏ですから。』
< 218 / 234 >

この作品をシェア

pagetop