情熱的に愛して
そんな会話ができるようになったのも、私がある決心をしたからなのかもしれない。

「雪人。」

『なに?』

「今日、一緒に夕食食べない?」

『いいよ。』

会話は、それで終わった。


私は、一息ついた。

そして、空を見上げた。

雲一つない快晴。

唇を真一文字に結んだ。

もう、泣かない。

自分で決めた事だ。

私は、奥の部屋にスッと消えた。


その日の夜は、両親に断って、雪人の元に帰らせてもらった。

「おかえり。」

雪人が、玄関で待っていてくれた。

「ただいま。」

この瞬間の幸せは、毎日でも飽きなかった。

「夕食、有り合わせの物でいい?」

私は、早速キッチンに立った。

「夏海の作るモノなら、何でもいいよ。」
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