情熱的に愛して
「うん。」

私は、大きく頷いた。

「この前の、『結婚しよう。』って言う返事が、それ?」

「うん。」

私はもう一度、頷いた。


「理由は?」

「おじいちゃんが、亡くなったから。」

私と雪人は、見つめ合った。

「……雪人が私と、偽装結婚してくれたのは、おじいちゃんの為でしょう?」

「そうだったけれど……」

「だから、おじいちゃんが亡くなった今、雪人をここに縛り付けるのは、ダメだと思うの。」

雪人は、黙っている。

「今まで、ありがとう。」

私は、改めてお礼を言った。

「雪人のおかげで、私、おじいちゃん孝行ができたと思う。おじいちゃんも、安心して天国へ行ったんじゃないかな。」
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