情熱的に愛して
「ええ?なになに?何の事?」

一人秋香だけが、ウキウキしている。

雪人はスマートフォンを、私に渡してくれた。


「夏海。」

雪人が私の名前を、呼び捨てにした事で、周りの人達からヒャッっと言う声がする。

「ここ数日、ずっと考えてた事があるんだ。」

そして面白がって、だんだん増えるギャラリー。

「ま、待って、雪人。ここは冷静になって。」

いつも冷静な雪人に、”冷静になって”なんて、可笑しな話だと思うけれど。


「さっき、店長も言っただろ?ここぞと言う時に、熱くなれない奴は、何も捕まえられないって。」

私は、辺りを見回した。

「いや、だからって、ここ会社……」

「だから、手短に言う。」
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